アスベストの種類とそれぞれの危険性を詳しく解説

公開日:2024/03/13 最終更新日:2024/09/17
アスベストの種類とそれぞれの危険性を詳しく解説

アスベストは昔、建築現場で活用されましたが、飛び散ったものを人が吸い込むと肺線維症や悪性中皮腫などの健康被害が起こる可能性があきらかになり、昭和50年に原則使用が中止されました。古い建物を撤去したり回収したりする場合にはアスベストの有無を確認する必要があります。今回はアスベストの種類や危険性などについて述べます。

アスベストとは?その種類と基本的な特徴 

アスベストは何となく危険なものというイメージがある方もいるのではないでしょうか、まずは基本的な情報について述べます。

そもそもアスベストって何?

アスベストは繊維状の鉱物で綿のようになるため石綿とも呼ばれてきました。アスベストにはいくつかの種類があります。

・クリソタイル

最もポピュラーなもので、世界中で原料として使われてきました。世界で使われたアスベストの9割以上がこのクリソタイルになっています。

・クロシドライト

吹き付け材として使われました。毒性が高いといわれている種類です。

・アモサイト

アモサイトは断熱材や保湿剤に活用されました。

・アンソフィライト

アンソフィライトは日本の熊本県の鉱山で採取されていました。2004年以降、生産や使用が禁止になっています。

・トレモライト

吹き付け材として使用されました。タルク、蛭石などの不純物として含まれています。

・アクチノライト

タルク、蛭石などの不純物として含まれています。

アスベストの特徴

アスベストは繊維状でほぐしたら綿のようになります。細かい繊維状になり耐熱性や耐久性、絶縁性などがあります。ほかの鉱物や人工的な物質にはない特徴を持っているため原材料として優れ、建築現場で使う建材や業製品に活用されてきました。

アスベストの健康への影響と危険性

アスベストは優れた特性を持っていたため建築現場などで活用されました。しかし健康への影響や危険性があきらかになったため今では原則製造や使用が禁止されています。どんな健康への影響や危険性があるのか述べます。

アスベストの健康への影響

アスベストは綿のような細かい繊維状になるところが特徴ですが、それらが飛び散って人が吸い込んでしまうことで健康被害が起こることがわかっています。

・肺がん

アスベストの繊維が胚細胞に取りこまれ、物理刺激を受けることから肺がんが起こるとされています。肺がんを発症するまで、潜伏期間が15年から40年ほどあると考えられています。

・肺線維症(石綿肺)

肺が繊維化してしまう病気です。アスベスト以外にも粉じんや薬品が肺の繊維化を起こすものとされていますが、その中でもアスベストのばく露で発症するものを石綿肺と呼びます。

アスベストを取り扱っている場所で働いていており、10年以上吸い込んでしまっていた労働者が発病する可能性があるといわれています。潜伏期間が15年から20年と考えられており、アスベストから離れていても症状が進行するともいわれてきました。

・悪性中皮腫

胸膜、腹膜、心膜などにできてしまう悪性の腫瘍ができる病気です。若いころにアスベストを吸い込んでいた場合の方が悪性中皮腫になりやすいとされてきました。潜伏期間は20年から50年と考えられています。

アスベストの危険性

今現在アスベストに関係ない仕事をしていても、過去にアスベストを取り扱っている仕事をしていた場合、アスベストを吸い込んでしまっている可能性があります。さまざまな病気がありますが、どれも潜伏期間が長いため原因不明の体調不良がアスベストに関連する病気の可能性もあるでしょう。

もし呼吸器や胸、喉などに痛みや違和感がある場合は労災病院などの専門的な医療機関に相談する、検査してもらうなどの対応をとりましょう。

アスベストの適切な管理と除去方法

アスベストは古い建物に使われている可能性があるため、しっかりと管理や除去する必要があります。どのように管理や除去を行えばよいのでしょうか。

適切な管理を行わないと飛散の危険性がある

建物を解体や改修する予定がなくても、古い建物のアスベストを含む建材が劣化したり損傷してしまったりする場合にもアスベストが飛散してしまうかもしれません。建物を安全に管理する場合にも状況を調査するとよいでしょう。

専門業者に調査や除去作業を依頼する

アスベストは建材に含まれているか調査や分析を行う専門業者、処理を行う専門業者、調査から処理までをワンストップで行っている業者などが存在しているので探してみましょう。飛散性の高さによって防じん服やマスクなどを装着して除去作業を行います。

除去する場合もありますが、除去が難しかったり予算が少なかったりする場合は固定して飛散しないよう封じ込める、覆うことで囲い込むなどという対策もあります。状況に応じて安全な対処をしてもらえるよう、専門業者にまずは相談してみるとよいでしょう。

まとめ

アスベストは昔、建材としてさまざまなところに使われてきました。商業施設や学校、病院、一般住宅など幅広いところで使われています。古い建物にアスベストが使われている可能性があるため、飛散しないよう対処が必要です。

アスベストが含まれているか調査や分析を行う業者、除去工事を行う業者、調査から除去まで行っている業者などがあるため、必要に応じて専門業者に頼り安全にアスベスト対策を行いましょう。

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