アスベストはその耐火性や絶縁性からさまざまな場所で使用されてきました。この記事では、アスベストがどのような場所で使用されているのか、その可能性が高い箇所を紹介します。アスベストの存在は意外と身近なものです。健康への影響を考慮しながら、アスベストの使用状況を確認しましょう。
アスベストの用途とは?
アスベストはその特性から古くからさまざまな産業で使用されてきましたが、その多くは建築資材としての利用が主でした。耐火性や断熱性などの特性を活かし、建物の構造や設備に幅広く使われていました。ここでは、アスベストの主な用途について解説します。
建築資材としての利用
アスベストはセメントや石灰質原料、ケイ酸質原料などと混合することで、耐火性や耐久性を向上させる目的で広く建築資材として使用されてきました。屋根材、壁材、床材など、建物の構造に関わる部分での利用が一般的です。
断熱材・保温材としての利用
アスベストはその断熱性から、配管や暖房装置などの断熱材・保温材としても広く使用されました。とくに高温にさらされる箇所での利用が多かったです。
防音材としての利用
アスベストは音を吸収しやすい特性ももっていたため、建物内の隔壁や床などの防音材としても使用されました。とくに集合住宅やオフィスビルなどでの利用が見られます。
自動車部品の製造
かつては自動車の部品にもアスベストが使用されていました。ブレーキパッドやクラッチなどの摩擦が発生する部品に耐久性を与える目的で利用されていましたが、現在では代替材料に置き換えられています。
船舶の建造や修理
船舶の建造や修理においてもアスベストが使用されていました。船の断熱材や防水材として利用されたり、エンジンの断熱材としても使われていました。
アスベストの使用形態
アスベストはその優れた耐火性や絶縁性から、さまざまな産業で広く使用されてきました。建築資材から自動車部品まで、その用途は多岐にわたります。ここでは、アスベストの主な使用形態について詳しく見ていきましょう。
吹き付けアスベスト
吹き付けアスベストは、1956年ごろから1975年ごろにかけて主に建築業界で使用されました。アスベストにセメントや水を混合し、吹き付け機を用いて施工されていたのです。アクチノライト、クリソタイル、アモサイト、クロシドライト、アンソフィライト、トレモライトなどの種類があります。
吹き付けロックウール
吹き付けロックウールは、1975年ごろから1989年ごろにかけて使用されました。鉄炉スラグや石灰を混合して生成される人造鉱物繊維であり、アスベストの禁止後、代替材として利用されています。
アスベスト含有保温材
化学プラントやボイラー、配管などの保温にアスベストを含んだ材料が使用されました。クリソタイルやアモサイトが主に使用され、珪藻土保温材やパーライト保温材などの代替材があります。
アスベスト含有建築材料
アスベストを含む建築材料は天井や壁、床の内装材から屋根や煙突の外装材まで幅広く使われました。窯業系サイディング、押出成形セメント板、繊維強化セメント板などがその代表例です。
そのほかのアスベスト使用形態
アスベストは自動車部品や工業製品、さらには家庭用品にも使用されていました。摩擦材や断熱材用接着剤、ジョイントシートなど、さまざまな用途で利用されてきたのです。現在ではその健康被害が広く知られるようになり、その使用は規制されています。
アスベストが使用されている可能性がある場所
アスベストはその優れた耐火性や絶縁性から、過去にさまざまな場所で広く使用されてきました。しかし、その健康被害が明らかになったことから、現在ではその使用が制限されています。それでもなお、アスベストが使用されている可能性がある場所はいくつか存在します。以下では、その代表的な場所を紹介します。
住宅内
住宅内では、昔ながらの建材や断熱材にアスベストが含まれている可能性があります。とくに昭和期に建てられた住宅では、窯業系サイディングや石膏ボード、フロアシートなどにアスベストが使用されていることがあります。また、屋根や天井の断熱材としても使用されていました。
公共施設やビル
公共施設やビルでは、エレベーターシャフトや機械室、屋根裏、煙突の断熱、天井裏、柱や梁など、建物の構造部分にアスベストが使用されている可能性があります。とくに昭和期に建てられた鉄筋コンクリートの建物では、アスベストの使用が一般的であったため、注意が必要です。
そのほかの場所
工場や化学プラント、船舶など産業施設でもアスベストの使用が見られます。アスベストはとくに高温にさらされる場所や耐火性が求められる場所で多く使用されましたが、現在ではその健康被害がより広く認識されるようになり、その使用は制限されています。
まとめ
アスベストはかつて建築資材や断熱材として広く使用され、その使用形態は吹き付けや建築材料として多岐にわたります。とくに住宅やビル、公共施設など昭和期に建てられた建物ではアスベストの使用が一般的でした。
しかし、その健康被害が明らかになり、現在ではその使用が制限されつつあります。建物のリフォームやメンテナンスを行う際には、アスベストの存在を確認し、適切な対処が必要です。
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