今回は、木造一戸建てにアスベストが使われていた時にやるべきことについて紹介します。アスベストは2006年度に全面廃止されましたが、リフォームをおこなう際アスベスト調査が必要になります。本記事では、木造一戸建てにアスベストが使用されていた場合にやるべきことについて紹介します。
アスベストの健康リスクとは
よく、アスベストは健康に害を有すると聞きますが、実際にどのような害を有するのか分からない方もいるでしょう。アスベストの健康リスクについて紹介します。
アスベストはどのように健康被害を及ぼすのか
アスベストは、毛髪の5,000分の1しかない物質で、天然の繊維状鉱石からつくられるものです。このため、空気中に浮遊しやすく人体に入り込んでも、肉眼では見えません。この繊維を吸い込むと、アスベストは鉱石であるため、体内に吸収されることなく肺に刺さりこんでしまう健康被害があります。
アスベストによって引き起こされる病気とは
作業によって知らない間にアスベストを吸い込むことで、さまざまな病気を引き起こしてしまいます。例えば、じん肺と言って、肺が繊維化して呼吸機能が低下する病気が引き起こされる場合があります。
また、気管・気管支・肺胞の細胞ががん化する肺がんや、肺を取り囲む胸膜や腹膜に悪性腫瘍ができる悪性中皮腫が引き起こされる場合があるでしょう。
2022年からは解体工事・リフォーム・修繕工事においてアスベスト調査が必要
アスベストによって引き起こされる病気が多々あるため、2022年4月から解体工事・リフォーム・修繕工事においてアスベスト調査が必要となりました。もちろん、工場などの大きな建物だけではなく、木造住宅においても適応となるため、木造住宅を改修される方は注意しましょう。
アスベストが含まれる可能性のある場所
アスベストが含まれる可能性のある場所は、住宅で言うとほとんどが当てはまるでしょう。ただ、特に注意するべき箇所があります。アスベストが含まれる可能性のある場所について紹介します。
スレート
スレートには、粘板岩を薄い板状に加工した天然スレートや、繊維素材を混ぜて薄い板状に加工した化粧スレートが存在します。特に注意が必要なのが、化粧スレートです。化粧スレートは、セメントに混ぜ合わせる繊維材としてアスベストを用いています。
このため、経年劣化や解体などによりアスベストが飛散する可能性が大いにあるでしょう。
サイディング
サイディングは、金属、木材、樹脂、陶磁器などの素材によって造られていることが一般的です。スレートと同様に、雨風や強い日差しから建物を守るためアスベストが使用されてきました。
2004年以降は、こうしたサイディングが使用されなくなりましたが、古い建物ではまだ使用されている場合が多いでしょう。解体する場合や、リフォームする場合には注意が必要です。
その他アスベストが使用されている箇所
マンションやビルなどでは、鉄骨の梁や柱・機械室などの天井や壁でアスベストが使用されている場合があります。また、排水管や配管の接合部・外壁および区画壁などでもアスベストが使用されている場合があるため、注意が必要です。
アスベスト対策と除去のプロセス
現在住んでいる家をリフォームしようか検討されている方は、自分自身やリフォーム業者へアスベスト対策する必要があります。どのようにアスベスト対策と除去するべきか紹介します。
住宅に住むか主がおこなうべきこと
アスベストを使用している年代に建築された家に住む方は、まず一般建築物含有調査員や石綿作業主任者の選任・および適切な安全管理教育等をおこなっている業者へアスベスト調査を依頼しましょう。また、空調や電気工事をおこなう際に、アスベストを使用している箇所を把握していれば可能な限り準備をして業者へ知らせましょう。
解体業者がおこなうべきこと
解体業者は、アスベストを使用している建物の経年劣化が激しい場合、アスベストの封じ込めや囲い込みをおこなう必要があります。また、作業をおこなう場合には必ず石綿作業主任者を選び、作業をおこないましょう。アスベストを含む廃棄物に関しては、産業廃棄物として安定型最終処分場で埋め立て処理をします。
アスベストに正しい配慮をする業者を選ぶ
アスベスト除去をおこなう場合、法に沿って適正に処理できる業者を選びましょう。例えば、仮見積もりの段階でアスベストの調査費用が計上されているか、有識者がいるか確認することも大切です。
また、アスベスト調査後、石綿事前調査報告書の提出を求め労働基準監督署へ提出した書類を提示してくれる業者を選びましょう。適正な業者であれば、アスベストに関する工事を、写真として納め提示する配慮をしてくれます。
まとめ
今回は、木造一戸建てにアスベストが使われていた時にやるべきことについて紹介しました。アスベストは、現在の建築物では使用されていませんが、古い木造住宅をリフォームする場合には注意が必要です。
また、アスベストを使用した木造住宅を解体する方も多いでしょう。こうした場合には、必ずアスベスト調査を実施し、適正な作業をおこなう業者へ工事を依頼することをおすすめします。本記事が、アスベスト調査に関して詳しく知りたい方の参考になれば幸いです。
-
アスベスト調査会社を決める3つのポイント
アスベスト調査の実績対応範囲の広さ保有資格の多さ株式会社サン・テクノスがおすすめ!
引用元:https://sunteqnos.co.jp/- 20年を超える実績
- 事前調査から分析まで一貫して対応
- 「特定建築物石綿含有建材調査者」ほか多数の資格を保有