
アスベストを含む建材を扱う作業には、高度な知識と技術が求められます。このため、アスベストに関する専門的な資格をもった担当者が必要とされるのです。以下に、アスベストに関する代表的な資格をご紹介します。
石綿作業主任者(国家資格)
石綿作業主任者とは、石綿(アスベスト)の除去作業を指揮・監督するために必要な国家資格です。アスベストは加工のしやすさや耐久性・耐火性の面で、建築材料など幅広い用途に使用されてきましたが、人体への悪影響を引き起こす危険性があるとして、利用が制限されることになった素材です。
アスベストの粉塵吸入によって肺が線維化する「じん肺」という疾病、肺がんや悪性中皮腫など命に関わる病気を引き起こすリスクもあり、現在でもアスベストが使われていた製品・建築物が原因の健康被害を訴える方は出てきています。
重量の0.1%以上の石綿が使用されたあらゆるものの製造・輸入、譲渡や使用が2006年に全面禁止となってから新設された資格で、アスベストが使用される現場において解体やリフォーム工事を行う場合には必ず石綿作業主任者を選任しなければなりません。
つまり石綿が使用される現場で、石綿作業主任者は欠かせない存在であり、そのために必須の資格であるというわけです。
資格の取得方法
石綿作業主任者は、実際に石綿を取り扱う現場にて事業者側が選任する形となります。石綿作業主任者に選任してもらうためにまず必要なのが「石綿作業主任者技能講習」の受講です。
石綿作業主任者技能講習は、都道府県労働局長の登録を受けた講習機関にて受講が可能です。電話やWEBにて受講の申し込みを行なって、対象となる講習科目を修了後、修了試験に合格することで資格取得となります。
石綿作業主任者技能講習は、とくに受講資格もなく誰でも受けられますが、18歳未満は石綿作業を実施できないため、18歳以上を受講資格に定めている機関もある点には注意です。石綿作業主任者技能講習について修了試験の合格率は正式に公表されてはいないですが、技能講習をしっかり受講していれば現場経験が浅い方でも取得しやすく、難易度は高くない資格とされています。
各科目の得点が配点の40%、かつ得点の合計が各科目の合計点の60%以上が合格ラインです。
資格習得に必要な講習科目
石綿作業主任者の資格取得に必要な講習科目は「健康障害及びその予防処置に関する知識」「作業環境の改善方法に関する知識」「保護具に関する知識」「関連法令」です。資格取得のためには上記講習の受講が義務付けられており、試験だけを受けることはできません。
講習会に申し込んだあとは、遅刻・欠席等に気をつけつつ、すべての講習を修了してください。
建築物石綿含有建材調査者
アスベストを含む建材についての調査資格が必要な専門職が、建築物石綿含有建材調査者です。アスベストによる健康被害を防ぎ、事前にその影響を抑えるのが目的で、対象となる建物の解体や改修工事の前に、アスベストの含有の有無について確認する役割を担っています。
2023年の10月からは、アスベストの含有調査について建築物石綿含有建材調査者などの資格保持者が実施することが義務付けられました。そのため、以前よりも重要性が高まりつつある資格です。
建築物石綿含有建材調査者は「一般建築物石綿含有建材調査者」「特定建築物石綿含有建材調査者」「一戸建て等石綿含有建材調査者」の3つの資格に区分されます。一般建築物石綿含有建材調査者は、すべての建築物のアスベスト含有有無を事前調査できる資格です。
特定建築物石綿含有建材調査者は、一般に比べて試験の難易度が少し高くなります。一戸建て等石綿含有建材調査者は、一戸建て住宅や共同住宅の内部におけるアスベスト含有の事前調査を実施できます。
このように、事前調査を実施できる建築物に違いがあるため、自身がどの建築物でアスベスト含有の事前調査を行うのかによって、適した資格取得を目指しましょう。
資格の取得方法
建築物石綿含有建材調査者は、それぞれの資格取得に必要な講習を受けた後、修了試験に合格した方が取得できる資格です。しかし、建築物石綿含有建材調査者は誰でも講習を受けられるわけではなく、いくつかの受講資格が求められます。
たとえば「石綿作業主任者技能講習を修了した者」「建築行政に関して2年以上の実務の経験を有する者」「環境行政に関して2年以上の実務の経験を有する者」「建築に関する正規の課程又はこれに相当する課程を修めて大学を卒業したもの」「労働基準監督官として2年間以上職務に従事した経験」です。上記の他にもいくつか受講資格が定められているため、この資格を取得したい方はよく確認しておきましょう。
資格習得に必要な講習科目
建築物石綿含有建材調査者の資格取得のために必要な講習科目は、資格の区分に応じても異なります。一般建築物石綿含有建材調査者を例に挙げると「建築物石綿含有建材調査に関する基礎知識1と2」「石綿含有建材の建築図面調査」「現場調査の実際と留意点」、「建築物石綿含有調査報告書の作成」です。
講習の時間は約12.5時間、通常は2日間で実施されます。講習をしっかりと受けていれば合格率も高い資格です。
アスベスト診断士
アスベスト診断士は、一般社団法人JATI協会(旧社団法人日本石綿協会)が定めた資格で、アスベストの処理・解体工事の適性を判断する役割を担います。具体的には「アスベストの使用場所の特定」「アスベスト含有品の処理可否の判断」「アスベストを含んだ建築物の解体工事の適正チェック」「アスベスト含有時の対策」などです。
アスベストは人体に悪影響を及ぼす物質のため、健康被害を防ぐためにも取り扱いは慎重に進めなければなりません。とくに、古い建物はいまだにアスベスト含有率が高いものも多数あり、それらを解体する際のアスベスト飛散は懸念事項です。
使用箇所を事前にチェックして、適切な解体工事で飛散を予防することが重要なため、アスベスト診断士の存在は建築現場においてとても大切な存在といえるでしょう。また、資格取得に向けて講習を受けることで、アスベストに関する知識を幅広く習得できるのもメリットです。
有資格者はアスベストを扱う作業に関して、作業者に適切な教育を実施できるようになります。
資格の取得方法
アスベスト診断士の資格を取得するためには、一般社団法人JATI協会が実施しているアスベスト診断士養成研修会にて、講習を受講する必要があります。研修の修了後に試験があり、各分野の得点が60%以上、総得点が70%以上で合格となり、診断士の資格が取得できます。
ただし、アスベスト診断士の講習は誰でも受講できるものではなく、いくつかの条件に該当していなければなりません。たとえば「一級建築士及び二級建築士の免許登録がある」「一級施工管理技士(建築施工管理)の資格を有している」「第1種の作業環境測定士である」「アスベスト含有物の除去に関して、3年以上の実務経験がある」などのいずれかに該当する必要があります。
受講までの難易度が少し高いため、アスベスト診断士を目指す方は実務経験やその他資格の取得に向けても努めていきましょう。
資格習得に必要な講習科目
アスベスト診断士の資格取得には「基礎編」「調査・診断編」「石綿処理編」の3つの講習受講が必要です。基礎編では、主にアスベストに関する基礎知識を学びます。
調査・診断編では、アスベストの調査手順や調査方法を学び、石綿処理編では飛散防止の対策や廃棄物の処理方法などを教わります。いずれも実務には欠かせないアスベストの知識を豊富に学ぶ科目であるため、しっかりと受講して修了試験に臨みましょう。
講習は3つの講習をそれぞれ1日ずつ、連続三日間で実施されるため、スケジュールに余裕を持った上で進めることが大切です。
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