アスベストは築年数で判断できる?リスクの高い年代とは

公開日:2024/06/15 最終更新日:2025/02/21
アスベストは築年数で判断できる?リスクの高い年代とは

アスベストは健康に被害を及ぼすことが知られると、法令が改正され段階的に規制が強化され、現在ではアスベストの製造や使用などは全面的に禁止されています。この段階的な規制の強化から、築年数でアスベストの含有が判断できるのでしょうか。そこで今回は、築年数によるアスベストの判断や、事前調査の重要性などの解説をします。

築年数によるアスベストの判断はできる?

アスベストが含まれる建材が使用されている建物なのかを、築年数で断定して判断することはできません。しかし、アスベストが含まれている可能性であれば判断できます。アスベストは、高い断熱性や耐火性、耐久性があるため、多くの建物に使用されてきましたがすべての建物に含まれているわけではありません。

アスベストが含まれる可能性を判断する基準として、1975年、1995年、2006年があります。1975年に「特定化学物質等障害予防規則」が改正され、アスベストの含有率が5%を超える吹き付け作業が原則禁止されました。

そのため、規制前の1975年以前の建物はアスベストが使用されている可能性が非常に高いです。1995年には、労働安全衛生法施行令」「特定化学物質等障害予防規則」の改正により、アモサイトやクロシドライトの使用や製造などが全面禁止となり、さらにアスベストの含有率が1%を超える施工も禁止となりました。

1975年以降主流となっていた吹き付けロックウールの使用も規制されました。2006年の労働安全衛生法施行令の改正によって、アスベストの含有率が0.1%を超える製品の製造や使用などが全面的に禁止となったため、2006年以降の建物はアスベストが使用されていません。

アスベストが含まれる可能性のある箇所とそのリスク

アスベストは建物のどこに含有しているのでしょうか。ここでは、アスベストが含まれている可能性のある箇所について解説します。

屋根

住宅屋根用化粧スレートや、工場などで使用されているスレート波板にはアスベストが含まれている可能性が高いです。

外壁

外壁に使用されていた窯業系サイディングや押出成形セメント板、繊維強化セメント板にアスベストが含有している可能性があります。

内装材

内装材として使用されていたケイ酸カルシウム板やパルプセメント板にもアスベストが含まれている可能性があります。ケイ酸カルシウム板やパルプセメント板は、軽量で加工しやすいため、天井や壁などにも使用されていました。

断熱材

工場や倉庫、車庫などの屋根裏の断熱材は、アスベストが含まれている可能性が非常に高いです。また、配管やダクトに巻いている断熱材や保温材もアスベストが含有している可能性があります。

内壁の吹き付け材

内壁の吹き付け材は、アスベストが含まれている可能性が非常に高いです。1975年以前は、鉄骨造りの建物などの壁や天井裏にアスベストが吹き付けられていました。また、1975~1995年でも、吹き付けロックウールとしてアスベストが使用されていました。

事前調査の重要性とアスベスト除去に向けた対策

アスベストの事前調査はなぜ重要なのでしょうか。ここでは事前調査とアスベスト除去に向けた対策について解説します。

アスベストの事前調査

アスベストの事前調査とは、建物の解体や改修工事前に、建物の建材にアスベストが含まれているか調査することです。アスベストは、肉眼で見ることができないほど細く、飛散すると空気中に浮遊して気付かないうちに人体に吸入される可能性が高いです。

吸入されたアスベストが肺の組織内に長く滞留することにより、肺がんや悪性中皮腫などの病気を引き起こすことがあります。そのため、建物の解体や改修工事でアスベストが飛散しないように、アスベストの有無を調べる事前調査が現在は義務化されました。

アスベストの事前調査は、専門の資格を取得した調査員が調査し、発じん性の高さからレベル1~3に分類されます。

アスベストレベル1

レベル1は発じん性が著しく高いと分類されるレベルです。アスベストの除去対策は、まず工事前に事前調査結果の届出、工事計画届出、建物解体等作業届を労働基準監督署に提出します。さらに、特定粉じん排出等作業届、建設リサイクル法の事前届も都道府県庁に提出が必要です。

解体や改修工事では飛散防止のために、お知らせ看板の掲示や作業現場の徹底した清掃、作業現場の隔離や更衣室、前室の設置と届出が必要です。作業者は、防じんマスクや防護服などの着用を徹底して、厳重なばく露対策をしなければなりません。

アスベストレベル2

レベル2は発じん性が高いと分類されるレベルです。レベル2も工事前にレベル1と同様の届出の提出、さらに作業現場の隔離と更衣室や前室の設置と届出が必要です。ただし、着用する保護具に関してはレベル1より簡易的なものでも認められています。

アスベストレベル3

レベル3は発じん性が比較的低いと分類されるレベルです。レベル3は、工事計画届出、建物解体等作業届は不要です。ただし、令和3年の法令改正によりレベル3の建材も特定建築材料と認定されたため、レベル1、2と同様の義務や作業基準に従わなければなりません。

アスベストはいつまで使われていたの?

アスベストは有害物質なため現在では使われておりませんが、時期を境に有害性を危険視したために使われなくなりました。では、具体的にいつごろまで施工の際に使われていたのでしょうか。

段階的に規制がかかっていった

1975年は、特定化学物質等障害予防規則が改正され、含有率が5%をこえる吹き付けに対して規制がかかりました。1995年には、労働安全衛生法施行令と特定化学物質等障害予防規則が改正され、1%以上含まれる吹き付けが原則禁止されました。

3段階目に規制がかかったのは2004年で、労働安全衛生法施行令が改正されました。これにより、1%以上含まれる建材や接着剤などを使うのが禁止され、禁止されたものは10項目にもおよびました。

さいごの規制は2006年で、労働安全衛生法施行令が改正により、0.1%以上使われている商品をつくったり使ったりするのが禁止されました。このように、4段階にわけて規制されてきた歴史があります。

大人はもちろん、子どもや高齢者はとくに健康への被害が心配でしょう。人々が住宅や公共施設などの屋内でも健康で快適に生活や活動していけるよう、段階的にさまざま規制がなされました。

アスベストはどんな理由でどんな場所に多く使われていたか?

有害性が問題視されたためにつくられなくなったアスベストですが、なぜ広く使われていたのでしょうか。ここでは、さまざまな場所で広く使われていたわけや、どこで使われていたのかを紹介します。

高機能な建材

種類は非常に多く、3,000種類ほどあります。安くて機能的な建材なので、幅広く重宝されてきました。安価で手に入る建材は、建築費全体を安く済ませられるメリットがあるため、業者から好まれたでしょう。

また、防音性や耐火性、断熱性や絶縁性など、さまざまな機能があります。ほかにも、化学薬品にも強いという特徴があります。値段も安価で入手できたため、建築資材として幅広く用いられていました。

幅広く使われていた

安価なうえに高機能という使い勝手がよい建材ではありましたが、有害性が問題視され、現在では建材として使われていません。以前どのような場所で使われていたのでしょうか。

おもに、建材製品や工業製品として用いられてきました。ほかにも、住宅の外壁や屋根、煙突などに多く使われていました。

また、ビルなどでは、床の下地や天井で使われており、住宅のみならず公共施設などの大型な建物にも使われていたでしょう。ほかにも、吹き付け材や吸音材に入っていたため、使われていた範囲はかなり広かったといえます。

安くて機能的な建材は、さまざまな観点から求められるケースが多かったでしょう。ただ、住宅や公共施設などを使う人間に健康被害があっては本末転倒です。

人が住む住宅だけでなく、公共施設のような場所でも使われていたため、とても身近なところにあったといえます。日常的に人に影響を及ぼしていた可能性があり、つくったり使ったりするのが禁止になったのも頷けます。

屋根や外壁

屋根や外壁といった身近な場所にも使われていました。住宅用屋根の化粧スレートやスレート波板にも入っていました。スレート波板は工場などで使われているケースが多い建材です。

このようにすべての屋根に入っていたわけではなく、一部の屋根に入っていました。また、外壁といってもさまざまな種類があり、窯業系サイディングや押出成形セメント板といった外壁に入っていました。

ほかにも、繊維強化セメント板といった外壁に入っています。ただし、紹介した外壁すべてに入っていたわけではないため、含有しているか否かを判別するには、調査をすればよいでしょう。

内装材やその他の建材

屋根や外壁だけでなく、内装材にも入っていました。内装材のなかにケイ酸カルシウム板やパルプセメント板といったものがありました。これらは、アスベストが入っていた可能性のある内装材です。

軽いのが特徴的な内装材で、広く使われていました。また、加工しやすい特徴もあったため、重宝された内装材でしょう。軽くて加工しやすいため、壁だけではなく天井にも使われていました。

ほかにも、断熱材や吹き付け材にも入っていました。吹き付けロックウールという吹き付け材は、1975~1995年に使われていた建材で、多くの建築物に使われていたでしょう。

施工時期から見分けるアスベスト

施行時期によって制限されていた条件に違いがあるため、ある程度見分けがつきます。では、それぞれ具体的にどのように見分ければよいのでしょうか。

吹き付け材

さまざまな素材に入っていましたが、なかでも飛散性が高いのが吹き付け材です。吹き付け材は1971年にはつくられなくなりました。

また、1989年にはアスベストを含んだ吹き付け材がすべて製造中止になっています。つまり、1989年までアスベストを含む吹き付け材が使われていた可能性があるのです。

断熱材や耐火被覆板

断熱材や耐火被覆板は、吹き付け材に比べると飛散性は多少低いものの、比較的非酸性が高いものの分類に入ります。断熱材は家屋の断熱材や煙突の断熱材があり、それぞれつくられていた時期に違いがあります。

家屋用の断熱材は1983年までつくられていました。一方、煙突用の断熱材は1991年までつくられており、家屋用の断熱材に比べて数年長くつくられていたのです。

耐火被覆板には、ケイ酸カルシウム板と石綿耐火被覆板の2種類があります。それぞれつくられていた年月に違いがあり、前者は1965〜2004年までつくられていました。製造中止になったのは、つい20年ほど前なのです。

後者は1963〜1983年までつくられており、前者に比べるとつくられていた期間は短く感じるでしょう。また、保温材にもアスベストは入っていました。

保温材には種類が多く、バーミキュライト保温材などといった種類があります。アスベストが入っていた保温材は1920〜1987年のあいだにつくられていました。

その他建材

アスベストを含んだ建築素材は、吹き付け材や耐火被覆板のほかにもたくさんありました。ほかの建材は、吹き付け材や耐火被覆板ほど飛散性は高くありませんでしたが、有害性が問題視されていたためつくられなくなったという経緯があります。

幅広く使われていた建材のなかには、ビニル床タイルなどがあり2004年までつくられていました。また、仕上げ材はほかの建材よりも長く、2005年までつくられていました。

その他の建材は種類が多いため、製造中止時期はさまざまです。2004年の労働安全衛生法施行令の改正時点で、ほとんどの建材が製造中止となりました。

築年数のみでの判断はむずかしい

アスベストは、健康への影響により段階的につくったり使ったりするのが禁止となり、2006年の労働安全衛生法施行令の改正によりすべてが使用禁止となりました。ですから、2006年以降に建てられた建物で使われている心配はありません。

しかし、2006年以前の建物に関しては、使われている可能性があるのです。安価な点や機能面で非常に優れていたため、幅広く使われていました。

アスベストは、2006年までのあいだに段階的につくったり使ったりするのが禁止となったため、2006年よりも前に建てられた建築物に使われているか否かの判断がつきにくいといえます。実際に使われているのかを知るには、調査を依頼するとよいでしょう。

調査すれば、対象の建物で用いられていたのか、そうでないのかがわかります。調査では専門家がレベルを調べてくれるため、建築年数から自己判断せず、専門家に調査を依頼するのがおすすめです。

業者に依頼すれば、細かい部分まで調べてくれます。調査後に対策したり結果によっては安心できたりするでしょう。

まとめ

築年数によるアスベストの判断は、すべての建物に含まれているわけではないため断定はできません。しかし、アスベストが含有している可能性であれば築年数で判断できます。アスベストが含有している可能性がある箇所は、屋根、外壁、内装材、断熱材、内壁の吹き付け材などです。

また、アスベストは吸入すると健康被害を及ぼすため、建物の解体や改修工事前に事前調査することが義務付けられています。事前調査を行うと、発じん性の高さからレベル分類され、レベル1が最も飛散する可能性が高いレベルなので厳重なばく露対策が必要です。

アスベスト調査会社を決める3つのポイント

チェックマーク アスベスト調査の実績
チェックマーク 対応範囲の広さ
チェックマーク 保有資格の多さ

株式会社サン・テクノスがおすすめ!

株式会社サン・テクノス
引用元:https://sunteqnos.co.jp/
  • 20年を超える実績
  • 事前調査から分析まで一貫して対応
  • 「特定建築物石綿含有建材調査者」ほか多数の資格を保有

大阪でおすすめのアスベスト調査会社比較表

イメージ
引用元:https://sunteqnos.co.jp/

引用元:https://www.j-kan.co.jp/

引用元:https://lf-kansai.com/

引用元:https://www.eurofins.co.jp/

引用元:https://kankyoukougai.jp/

引用元:https://www.s-eri.co.jp/

引用元:https://www.chousabunseki.co.jp/
会社名株式会社サン・テクノス日本環境分析センター株式会社株式会社エルエフ関西ユーロフィン日本総研株式会社株式会社環境公害センター株式会社ERIソリューションアスベスト調査分析株式会社
特徴役員含め専門資格保有者多数!外部機関からの評価も高いアスベスト調査会社特許取得の「チャント袋」を開発!創立以来アスベストの飛散防止活動を続けている会社アスベスト調査や含有分析を安心・迅速・正確に行うAランク認定作業環境測定登録機関国内トップレベルの分析設備と分析工程の自動化により、短納期や大型案件にも対応可能アスベスト調査・分析に係わる有資格者が多数在籍!建材や空気中の濃度分析にも対応アスベストの書面調査から事前調査、採取、分析までワンストップで対応してくれるダブルチェックで精度・確度の高い分析を実現する、アスベスト調査分析の専門会社
詳細リンク詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら

おすすめ関連記事