アスベストはどこに使われている？自宅の安全を確認する方法

かつて広く使われていたアスベストは、建材や断熱材として多くの建物に使用されていました。しかし、健康への影響が明らかになったために規制が進み、現在では使用が禁止されています。しかし、古い建物にはアスベストが残っている可能性があり、自宅が安全か気になる方も多いでしょう。本記事では、アスベストが使われている場所について解説します。

アスベストとは？過去の使用から健康への影響まで

昔は当たり前に使われていたアスベストですが、現在では使用が禁止されています。まずは、アスベストがどのようなものなのかを紹介します。

アスベストとはどんな物質？

アスベストは、天然に産する繊維状のけい酸塩鉱物で、せきめんやいしわたとも呼ばれています。耐熱性や耐久性に優れ、昭和50年ごろまでは建材や断熱材として広く使用されていました。とくに建物の天井や壁材、ブレーキパッドなど、さまざまな製品に使われていた歴史があります。しかし、健康への悪影響が指摘され、現在では日本国内での使用が禁止されています。

アスベストが健康に及ぼす影響

アスベストの繊維は非常に細かく、空気中に浮遊しやすい性質があります。アスベストの繊維を長期間吸い込むと、肺の中に蓄積し、じん肺や肺炎、さらには肺がんや悪性中皮腫などの深刻な病気を引き起こす可能性があります。これらの病気は長い潜伏期間を経て発症するケースが多いため、過去にアスベストを扱っていたり、古い建物に長く住んでいた人は注意が必要です。

どのくらい吸い込むと危険なのか？

アスベストをどの程度吸い込むと発病するのかについては、まだ不明な点が多いとされています。ただし、大量に吸い込むと肺の中に繊維が蓄積され、健康リスクが高まることは分かっています。もし、呼吸困難や長引く咳、胸の痛みなどの症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

アスベストはどこに使われている？過去の使用場所

アスベストは、耐火性・断熱性・防音性の高さから、かつては建築材料として広く使用されていました。とくに昭和50年頃までは、ごく当たり前にさまざまな場所で使われており、工場や学校、住宅など、私たちの身の回りにも多く存在していたのです。現在では健康への影響が明らかになり使用が禁止されていますが、古い建物にはまだ残っている可能性があります。では、具体的にどのような場所に使われていたのでしょうか。

産業施設や工場での使用

アスベストは、とくに工場や発電所、造船所などの産業施設で多く使用されていました。高温環境に耐えられる性質をもつため、ボイラーや煙突の断熱材、配管の保温材として重宝されていたのです。また、大型機械の防音材や耐摩耗性を活かした部品にも使用され、作業現場のいたるところに存在していました。こうした施設で働く作業員が長期間アスベストにさらされた場合、健康被害のリスクは高まってしまいます。

学校や公共施設での使用

学校や市役所、病院などの公共施設でも、アスベストは広く使われていました。天井や壁の断熱材として利用されたほか、音を吸収する特性を活かして体育館や講堂の防音材としても用いられていたのです。とくに吹き付けアスベストと呼ばれる施工方法が多くの建物で採用されており、細かい繊維が空気中に舞いやすい環境が生まれていました。そのため、現在では施設のほとんどが改修時に除去作業が行われています。

住宅の外壁や屋根での使用

一般住宅にも、アスベストを含む建材が多く使われていました。とくに外壁材や屋根材に使用されがちで、セメントに混ぜられたアスベストが耐久性を高める役割を果たしていたのです。現在でも、昭和の時代に建てられた家では、アスベスト含有建材がそのまま残っている可能性があるため、リフォームや解体時には専門家の調査が推奨されています。

アスベストが気になる方は専門業者へ調査を依頼しよう！

アスベストは現在、健康への影響が明らかになり、新たな使用は法律で禁止されていますが、古い建物にはまだ残っている可能性があります。とくに、建物の改修や解体を検討している場合、アスベストが含まれているかどうかの事前調査が大切です。

いまからでもアスベスト調査はした方がいいの？

アスベストは、そのままの状態では大きな危険はありません。しかし、老朽化やリフォーム、解体作業などで建材が破損すると、繊維が飛散し、吸い込んでしまう可能性があります。アスベストを長期間吸い込むと、肺の病気を引き起こすリスクがあるため、適切な処理が必要です。

アスベスト調査の方法

アスベスト調査は、専門の調査会社に依頼するのが一般的です。建材の種類や建築年をもとに、アスベストの使用が疑われる箇所を特定し、必要に応じてサンプルを採取して分析します。調査の結果、アスベストが含まれていた場合は、安全に処理する方法を提案してもらえます。

調査を検討すべきケースとは

・昭和50年頃までに建てられた建物に住んでいる、または所有している
・リフォームや解体工事を予定している
・天井や壁の一部が破損している、または老朽化が進んでいる
・建物の使用材料にアスベストが含まれているか分からない

少しでも不安がある場合は、専門家への早めの相談をおすすめします。適切な調査と対策を行えば、安全な環境を守ることができます。

まとめ

アスベストはかつて多くの建物や施設で使用されていましたが、健康への影響が明らかになり、現在では使用が禁止されています。しかし、古い建物には今も残っている可能性があり、知らずに暮らしているケースも少なくありません。とくにリフォームや解体工事を行う際には、事前にアスベストの有無を確認しましょう。もし気になる場合は、専門業者に調査を依頼し、安全な対応を検討してください。適切な知識をもち、慎重に対応すれば、健康被害を防ぐことができます。