アスベストは吸い込むことで健康被害を起こす可能性がある物質として知られていますが、うっかり触ってしまった場合に「皮膚から吸収されるのでは?」と心配になる人も少なくありません。そこで本記事では、アスベストを触ってしまったときにどんな影響があるのか、触れた後にすぐ行うべき正しい対処法について解説します。
まずは知っておきたいアスベストの基本
アスベストという言葉を耳にしたことがあっても、どのようなものなのか詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。ここでは、その性質や危険性について紹介します。
アスベストってどんなもの?
アスベスト(石綿)は、自然界に存在する鉱物繊維のひとつです。非常に細かい繊維状の形をしており、熱に強く燃えにくい性質を持っています。そのため、断熱材や防音材として建築資材に多く使われてきました。
また、加工しやすく耐久性も高いため、住宅や学校、工場など身近な建物に広く利用されてきた歴史があります。しかし便利な一方で、その安全性については後に大きな問題となりました。
なぜアスベストは危険とされるの?
アスベストが問題視される理由は、その繊維の細かさにあります。目に見えないほど微小なため、一度空気中に舞い上がると吸い込んでしまう危険があります。体内に取り込まれると肺にたまり、長い年月を経て肺がんや中皮腫などの深刻な病気を引き起こす可能性があるとされているのです。
そのため、現在では新しい建物での使用は禁止され、解体やリフォームの際にも厳しい規制のもとで扱われています。健康を守るためには、この危険性を理解しておくことが大切です。
アスベストは触るだけで体に入る?皮膚からの吸収リスク
アスベストは健康被害が問題視されている物質ですが「もし触ってしまったら体に入るのでは?」と不安になる人もいるでしょう。以下では、アスベストの危険性がどこにあるのか、また皮膚から吸収される可能性があるのかについて解説していきます。
アスベストが体に及ぼす本当の危険性
アスベストが危険とされるのは、主に空気中に浮遊した繊維を吸い込んでしまうことにあります。非常に細かい繊維は目では確認できず、気づかないうちに肺へ入り込む可能性があるのです。体内に入った繊維は長期間排出されにくく、やがて肺がんや悪性中皮腫といった深刻な病気につながることがあります。
そのため、吸入による影響が最も注意すべき点とされています。触ること自体では大きなリスクはありませんが、手や衣服に付着した繊維が舞い上がり、知らないうちに吸い込んでしまう可能性があるため注意が必要です。
触っただけで体に入ることはあるの?
「触れるだけで皮膚からアスベストが吸収されるのでは」と心配する人もいますが、実際にはその心配はほとんどありません。アスベストは水に溶けにくく、皮膚を通過できるほど小さな分子ではないため、健康な皮膚から体内に入り込むことはないとされています。
皮膚には外部の異物を防ぐバリア機能があり、アスベスト繊維はその壁を突破できません。つまり、触るだけでは重い健康被害につながることはありませんが、繊維を吸い込まないように注意することがもっとも重要です。
アスベストに触ってしまったときの正しい対処法
うっかりアスベストに触れてしまうと「大丈夫だろうか」と不安になる方も多いでしょう。触っただけで深刻な健康被害につながる可能性は低いとされていますが、繊維が衣類や室内に残っていると吸い込んでしまうリスクがあります。ここでは、安全に行える対処方法を紹介します。
衣類や靴に付着した場合の対処法
アスベストに触れたとき、身につけていた衣類や靴に細かい繊維がついていることがあります。そのまま室内で脱ぐと、床や家具に繊維が広がってしまう恐れがあります。できるだけ静かに脱ぎ、床に触れさせないよう注意しながらビニール袋に入れて密閉しましょう。
その後は専門業者に処理を依頼するか、必要に応じて廃棄を検討してください。自宅で洗濯機を使うと他の衣類に繊維が広がる可能性があるため、避けたほうが安心です。
室内に落ちたアスベストの掃除方法
もし室内でアスベストに触れてしまった場合、掃除の仕方にも注意が必要です。一般的な掃除機を使うと、細かい繊維が排気とともに再び空気中に舞い上がり、かえって危険性が高まります。
代わりに、湿らせた布やモップで床や周囲をていねいに拭き取るのがおすすめです。使い終わった布はそのまま袋に入れて処分すると安心です。乾いた状態での掃き掃除も繊維が舞いやすいため避け、できるだけ湿らせて処理することが安全につながります。
体調が不安なときの相談先
「少し触っただけでも体に影響があるのでは」と心配になることもあるでしょう。基本的に触るだけで大きな健康被害が出る可能性は低いですが、不安がある場合は早めに医師へ相談するのが安心です。
とくに呼吸器系の専門医に相談すれば、必要な検査や経過観察を受けられます。万一のリスクを減らすためにも、触ってしまったあとに体調の変化がないか注意し、気になる症状があれば医療機関を受診するようにしましょう。
まとめ
アスベストは建材などに広く使われてきた便利な素材ですが、その微細な繊維を吸い込むことで健康被害を起こす可能性があるため、注意が必要です。ただし、触るだけで皮膚から体内に入り込む心配はほとんどなく、大きな健康リスクは吸入によるものとされています。もしうっかり触れてしまった場合でも、衣類や靴を静かに密閉し、室内は湿らせた布で拭き取るといった基本的な対処を行うことで危険を減らせます。不安があるときは医師に相談し、正しい知識を持って冷静に対応することが大切です。
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